外部委託(アウトソーシング)とは?
外部委託(アウトソーシング)とは、企業が自社内で行っている業務の一部を、外部の企業に委託することを指します。企業活動において、人手不足により人的リソースが足りていない、サービスや業務における専門的な知見・ノウハウがない、といった理由から、業務を外部に切り出すことにより、外部委託先が代わりに業務を代行することで、企業の経営活動の効率化、企業価値の向上を目指す経営手法です。
当社では、ソフトウェアテストをはじめ、ゲームデバッグ、カスタマーサポート、モニタリング等、業種・業界を問わず様々な業務のアウトソーシングを承っております。その中でも本日はソフトウェアテストにおけるアウトソーシングについて、ソフトウェアテストにおける課題、アウトソーシングすることによりどのようなメリット、デメリットがあるのかをご紹介いたします。
ソフトウェアテストにおける課題
それでは、ソフトウェアテストにおけるアウトソーシングは、どのような理由から検討するのでしょうか。記事冒頭でもお伝えしましたが、外部委託を検討する代表的な理由は以下が考えられます。
開発担当者がソフトウェアテストを実施しているが、リソースが不足している
開発メンバーが少なく、案件拡大やリリース時期の優先により社内リソースが逼迫しているため、検証やデバッグに割ける時間が少ない、開発に集中することができない。
保有する検証端末が限定的で、不具合の再現や特定が難しい
検証に必要なスマートフォンやタブレット端末の調達にかかるコストや、調達するためにかかる時間がない。保有する検証端末が限定的で、不具合の再現や特定が難しい。
ソフトウェアテストにおける専門的な知見・ノウハウがない
開発ベンダーに依頼したシステムの受け入れテストはユーザー企業の役割だが、ノウハウが不⾜している。テスト後の振り返りやノウハウの蓄積が十分にできていない。
開発ベンダーに依頼したシステムの受け入れテストはユーザー企業の役割だが、ノウハウが不⾜している。テスト後の振り返りやノウハウの蓄積が十分にできていない。
度重なる仕様追加や仕様変更に追われ、バグの発見と対応を後回しにしてしまい、リリース後にバグが多発している。テストをどこまでどう行うか明確な基準を設けておらず、品質を担保する仕組みがない。
ソフトウェア開発を効率化したい
テストは内製で対応しているものの、内容は妥当なのか、UX⾯など客観的にチェックできているのか、もっと効率的な対応方法が知りたい。
外部委託による解決策、メリット
先ほどお伝えした課題を解決できるのが、ソフトウェアテスト・第三者検証のアウトソーシングです。
検証端末・環境を豊富に完備
ソフトウェアテスト・第三者検証専門の会社では、ソフトウェアが複数のOSやバージョンにおいても、問題なく動作するかを検証する多端末検証サービスを行っており、検証端末を豊富に取り揃えています。全ての端末やOSで検証を行うと時間や費用もかかってしまいますが、ユーザー属性に応じた検証端末やOSの提案から対応しているケースが多いので、要望に応じてテスト環境を用意することができます。
確かな検証スキル
ソフトウェアテスト、第三者検証専門の会社では、「ソフトウェアテストに関する知識」、例えばどのようなテストをどこまで行ったら良いのかなど、テスト計画のノウハウや、テスト手法の知見を持っています。テスト実施後も問題点・評価点の洗い出しから改善案の策定まで、振り返りのしやすいレポートを作成することで、自社のナレッジやノウハウを適切に蓄積することができ、プロジェクト品質の向上に繋がります。
第三者視点で先入観なくチェック
開発者がテストを実施すると、「大丈夫だろう」といった過信から、チェックが甘くテストが疎かになってしまうことがあります。ソフトウェアテスト、第三者検証専門の会社にアウトソースすることで、ユーザー視点でテストを実施するため、開発者が見落としがちなバグを発見することができます。「開発リソースとは別に、品質担保のリソースを確保する」ことは、品質はもちろん、リリース直前に出るバグを防ぐという意味で全体のコスト削減につながっていきます。
最適なテストプランの提案
ソフトウェアテスト、第三者検証専門の会社は、テストに関する専門知識を取得したテスター、QAエンジニア、品質コンサルタントが在籍しているため、高い検証スキルをベースに、無駄のないテスト設計/検証作業を行います。
またスピードが求められる状況においては、委託会社によっては土日祝日に人員を稼働させることも可能であるため、自社のメンバーを開発に専念させることができ、リソースを有効に活用することができます。
外部委託の注意点、デメリット
ソフトウェアの品質向上や、開発の効率化など、様々なメリットをもたらす一方で、外部委託にはデメリットもあります。
ノウハウが蓄積されないケースがある
ソフトウェアテスト、第三者検証専門の会社にテスト業務を依頼した場合、メンバーレベルではソフトウェアテストにおける知見やノウハウが身につかないことがあります。業務の対応方法を記録に残すことやチーム間での共有など、適切な体制を整えましょう。
費用対効果が不透明
これまで自社でソフトウェアテストを行っていて、初めて外部委託する場合は適正コストの判断が難しく、想定していたより費用対効果が低いケースもあります。また、委託先によっては成果物やサービスの品質が十分ではないということもあるかもしれません。委託先を選定する際は、費用対効果を十分に試算し、信頼できる委託先に依頼しましょう。
委託する業務範囲によっては効果を十分に発揮できない
ソフトウェア開発では、下流工程になればなるほど改修コストがかかり、リリース直前にバグが連鎖的に見つかることがあります。それは、改修した箇所の影響範囲が考慮されていなかったり、プログラムに依存関係があったりするからです。
そういったことになる前に、上流工程である企画段階から品質コンサルティングを依頼し、開発手法やプロダクトの特性を踏まえて、仕様書のバグ検出を目的としたレビューや品質基準の策定を行うことで、総合的にプロジェクトの品質を高めることができます。
まとめ
今回はソフトウェアテスト、第三者検証の外部委託に関するメリットとデメリットについてご紹介しました。外部委託の活用により、自社の業務効率改善やプロダクト品質の向上、人件費等のコスト削減に役立てることができます。
人手不足の課題を解消する方法として、業務のアウトソースを取り入れてみはいかがでしょうか。