ITインフラとは?
ITインフラとは、IT分野の基幹設備(インフラストラクチャー)を指します。
具体的には、パソコンやサーバーなどのハードウェア、サーバー上で処理を行うために必要なソフトウェア、外部/内部の通信を制御するためのネットワークで構成されています。インターネットやスマートフォンの利便性は、ITインフラのおかげで実現しています。
近年では、コスト管理や増設の行いやすさなどから、物理的な機器(オンプレミス)の設置はクラウド事業者に任せて、クラウド環境上でITインフラサービスを利用するケースも多くなっています。代表的なクラウド事業者としては、Amazon Web Service/ Azure/Google Cloud Platform 等が普及しています。
ITインフラの構築方法
次に、オンプレミス環境/クラウド環境で共通するインフラ構築方法をご説明します。
STEP1.要件定義
セキュリティ要件、可用性やパフォーマンスの要件等プロジェクトに必要な条件や情報をとりまとめます。また、実際に運用するために必要な機能要件も確認します。機能要件としては、システムの稼働に必要なサーバーの系統やデータベースの構成、稼働のために必要な内部及び外部ネットワークが該当します。非機能要件として、可用性/性能性/拡張性/セキュリティ性を考慮して、具体的なバックアップ方法やスケーリング方法を定義します。
要件定義については、利用者と構築担当者との認識のズレが生じないように内容の合意を取ることが重要です。
STEP2.基本設計
決定した要件定義の内容に従って、システム全体の構成を設計していきます。ネットワーク、サーバー、ストレージ、データベース等が具体的にどう接続され機能するのかを設計します。また、システムの構成とは別に、セキュリティを確保するための具体的な方法や障害発生時の復旧計画等も具体的な設計情報へ落とし込んでいきます。
STEP3.構築・実装
基本設計に従って、オンプレミス環境であれば設置先の手配及びサーバー/スイッチ/ロードバランサー等のハードウェアの手配を行います。クラウド環境ではハードウェアの手配は不要となるため利用するプラットフォームのアカウント作成や基本設計で決定したサーバーの作成を行っていきます。
IaaS(※)を利用した構築の場合は、必要となるインスタンスの作成に加えてミドルウェアインストールなどの初期設定を実施していきます。サーバー/ネットワーク設定のパラメータについては事前にパラメータシートを作成し、基本設計に沿った内容で設定作業を進めていきます
※IaaS=「Infrastructure as a Service」の略であり、クラウドにあるストレージ・メモリ・CPUなどのインフラ機能だけを利用するサービス。
ITインフラ構築の注意点
ITインフラの構築において注意すべき点をご紹介します。
障害等でシステムの稼働に影響が出ることを想定して、可用性を考慮して設計を行う必要があります。
例えば、主系統のデータベースのアクセスができなくなった状況を想定して、どれだけデータの損失なく副系統のデータベースへ切り替えるのか、急激なアクセス増加があった際にシステムを停止せずにサービスを提供するためのスケーリングはどういった手法で行うのか、などを決定しておくことが非常に重要となります。
情報漏洩やサイバー攻撃など外部からの攻撃に対して、どういった手法でアクセスを遮断し、セキュリティを確保するかを検討するためにも、適切なアクセス制御を実施し、認証や権限管理を厳密に行うことが重要です。
また、セキュリティの脆弱性を評価し、定期的な脆弱性スキャンやペネトレーションテストを実施し、問題の早期発見と対応を行うべきです。最後に、社内教育や意識啓発を通じて従業員のセキュリティ意識を高めることも対策の一環です。
ITインフラ構築をアウトソース(委託)するメリット
ITインフラ構築における運用・保守設計とセキュリティへの対策は重要です。これらの課題を解決するためには、BPO・アウトソーシングサービスの活用(=外部専門会社への委託)が有益です。以下のメリットが課題解決に繋がります。
ITインフラ分野のBPO事業者では、業務の成功事例や業界標準を把握しており、運用・保守に関する幅広い経験と専門知識を持っています。その為、急激なアクセス増加に対応するための適切な手法、クラウドインフラの活用や自動スケーリングの実装など、適切な技術を活用し、運用・保守を見据えた設計が可能となります。
セキュリティ対策を行うBPO事業者は、最新のセキュリティ技術やツールを利用し、高度なセキュリティ対策を提供します。また、常に情報をアップデートし、最新の脆弱性に対処するための手段を有しています。他にも、異常なアクティビティや攻撃を早期検知するための24時間監視体制も有しており、インシデントに対する迅速な対応も可能となります。
上記以外でも、ITインフラの構築では要件定義から構築までには多くの時間と人手を消費します。それら作業をアウトソースすることで人的コストを抑え、社内インフラエンジニアの負担を軽減することができます。その為、企業は自社のコアビジネスに人と時間を注力することができ、戦略的な開発活動や競争力の向上に集中することができます。
また、アウトソーシングにより、専門の技術者やエンジニアを雇う必要がなくなるため、採用や研修にかかる手間や社内業務も削減できます。
まとめ
システム開発に不可欠なITインフラ構築ですが、適切な運用・保守設計とセキュリティ対策を確保するために、信頼性の高いBPO事業者のパートナーを選択し、協力関係を構築することが重要です。
これにより、自社の負荷を軽減し、効率的で安全なITインフラを確保することができます。BPO・アウトソーシングの活用により、正しくビジネスの成長を加速させましょう。
ちなみに、PTWでは、「環境構築・移行サポート」サービスを展開しております。
クラウド環境・オンプレミス環境問わず、ITインフラの構築や移行作業を支援しております。
サービスについて詳しく知りたい方は、下記ページをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。
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